金属製の円形商品の仕様には、必ずといっていいほど「φ」という記号が出てきます。この記号は「パイ」や「マル」、「ファイ」と呼ばれ、円を表す単位の一つです。どんな意味があるのでしょうか。
■サクライグループのパイテックでもよく使うφとはどんな意味?
ロールの加工が得意なサクライグループでは、大阪市にある株式会社パイテックを中心にロール加工を行っています。このロール加工をするときに欠かせないのが、「φ」という記号です。日常生活の中ではあまり見かけない記号ですが、どんな意味なのでしょうか。
「φ」は円の直径を表す単位で、図面上の標準単位がmmなら、10φ=直径10mmという意味になります。図面上の標準単位によって実際の直径が変動するので、mmではなくcmのときには注意してください。
次に読み方ですが、「パイ」や「マル」、「ファイ」と読まれています。もともと直径を表すのは「マル」、「ファイ」はギリシャ文字の読み方です。「ファイ」は多くの人々の間で言いにくい上に聞き取りにくく、転じていくうちに「パイ」といわれるようになりました。
日本国内でJIS規格ではもともと直径を表す「マル」と読むのが正しく、「φ1」はマルイチと読むのが正しいといわれています。
■サクライグループが加工したロールは何に使われる?
パイテックではロールの加工をするときに、円柱状の原料を削って、穴をあけて、表面を磨いて仕上げています。これらは製鉄、製紙、発電所、船舶、ガラス、フィルム、油脂肥料、歯車などのさまざまな製品に使用されているのだそうです。
例えば、製紙工場で製造した紙は、はじめは大型の鉄製の芯に巻き付けてひと固まりにして、その状態から適したサイズに加工されます。トイレットペーパーでいえば、はじめに巨大なトイレットペーパーをロールに巻き付けてから、家庭用に加工するようなイメージでしょうか。
このときに使われる大型の鉄製の芯が、パイテックで製造しているロールなのだそうです。一見するとただの芯でも、サクライグループでは巻き付ける素材や、扱う状況や素材に応じてさまざまなロールを加工しているといいます。
■最大加工径は2,000φ!巨大なロール加工も得意分野
サクライグループで加工しているロールの中で、最大加工径は2,000φにもなります。図面上の標準単位がmmなら2,000mmの直径という意味になります。そんなに大きなサイズのロールを加工できるのは、技術力が高い証拠で、さまざまなサイズの製品を扱っている経験があるからだといえます。
ロールはさまざまな工場で利用されている機械部品の一部です。大型のロールに紙を巻き付けるとしても、その紙を大型のロールまで送るための搬送ロールという存在もあります。大型ロールのほかの製品は、加工する商品を搬送するときに、シワの防止、蛇行防止などのために使われているようです。